別居を始めると、相手方の収入や財産に関する資料を確認しにくくなることがあります。安全上の緊急性がない場合は、離婚を切り出す前に、生活と手続に必要な情報を整理しておくことが重要です。
ただし、暴力、脅迫、監視などがあり危険が迫っている場合は、資料集めより安全確保を優先してください。警察、配偶者暴力相談支援センター、自治体の相談窓口などと連携し、避難先を相手方へ伝えない運用も検討します。
財産に関する資料
- 預貯金の金融機関名、支店名、口座番号、残高
- 証券口座、NISA、iDeCo、持株会
- 生命保険、学資保険、解約返戻金
- 不動産登記、固定資産税通知、査定資料
- 住宅ローンその他の借入残高
- 退職金規程、退職金見込額
- 会社経営・個人事業の決算書、確定申告書
- 暗号資産、電子マネー、ポイント等の手掛かり
- 高額な動産、会員権その他の資産
資料は、家庭内で通常閲覧できる書類や、自分が正当にアクセスできる口座画面などを保存します。相手方のパスワードを推測してログインする、不正に端末のロックを解除するなどの方法は避けてください。
収入と生活費に関する資料
- 源泉徴収票、給与明細、課税証明書
- 確定申告書、収支内訳書
- 家賃・住宅ローン、光熱費、保険料
- 子どもの保育料、学費、医療費、習い事
- 別居後の住居費と引越費用
別居後の生活費は、婚姻費用として請求できる場合があります。相手方の収入資料が十分でなくても申立てはできますが、早い段階で手掛かりを確保しておくと進めやすくなります。
子どもに関する準備
- 母子健康手帳、健康保険資格情報、医療証
- 学校・園、医療機関、療育機関の連絡先
- 通院、送迎、食事、睡眠など日常の記録
- 子どもの希望や負担に関する記録
- 転居後の通学、保育、医療、見守り体制
子どもを連れて別居することの適否は、安全上の必要性、これまでの監護状況、別居の方法、他方親との関係などにより判断が分かれます。実行前に個別事情を弁護士へ伝えてください。
連絡とデジタル環境
- 安全に受けられる電話番号・メールアドレスを用意する
- 端末、メール、クラウド、SNSのパスワードを見直す
- 位置情報共有、家族アカウント、共有カレンダーを確認する
- 大切なデータを安全な場所へバックアップする
- 郵便物の送付先と、住民票の閲覧制限が必要かを検討する
別居前に決めなくてよいこともあります
離婚条件をすべて決めてから別居する必要はありません。安全と当面の生活を確保し、婚姻費用、子どもの生活、財産保全など時間の影響を受ける事項から対応します。
「何から準備すればよいか分からない」という段階でもご相談いただけます。初回相談では、持参できる資料だけで、優先順位を一緒に整理します。
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この記事は2026年7月23日現在の法令・裁判所及び法務省の公表資料に基づく一般的な説明です。実際の見通しや必要な手続は、離婚時期、子どもの状況、父母間の関係、財産の内容などにより異なります。