DVやモラハラがある場合、「相手と話し合えること」を前提に親権を決めることはできません。共同親権を選んだ後も、転居、進学、重大な医療などについて相手方との意思決定が必要になる可能性があるためです。
DVは身体的暴力だけではありません
親権の判断で考慮される「暴力その他の心身に有害な影響を及ぼす言動」には、身体的DVだけでなく、精神的、経済的、性的なDVも含まれます。
- 怒鳴る、侮辱する、長時間責め続ける
- 生活費を渡さない、収入や口座を支配する
- 行動、交友関係、位置情報を監視する
- 性的行為を強要する
- 子どもを利用して脅す
- 弁護士や裁判所の利用を妨げる
単独親権にすべき場合
子への虐待のおそれがある場合、またはDVなどにより父母が共同して親権を行うことが困難な場合、裁判所は単独親権としなければなりません。
「連絡手段がある」ことと「安全で対等な協議ができる」ことは同じではありません。第三者を介しても意思決定を妨害される、同意を交渉材料にされる、接触自体で心身に重大な影響が出る場合は、その事情を具体的に示します。
証拠として整理するもの
- メール、SMS、SNS、チャット
- 録音、写真、動画
- 診断書、受診記録
- 警察、行政、学校、医療機関への相談記録
- 保護命令、住民票の支援措置、一時保護に関する資料
- 生活費の不払いが分かる通帳
- 日時、場所、言動、子どもの反応を記した記録
危険を冒して証拠を集める必要はありません。安全を優先し、今ある資料を保全してください。
子どもを連れた避難
DV・虐待からの避難など、子の利益のため急迫の事情がある場合は、一方の親が単独で判断できることがあります。危険が差し迫っているときは、安全確保を優先し、警察、配偶者暴力相談支援センター、自治体、弁護士などへ相談してください。
一方、急迫の事情がない場合、子どもの転居や生活場所は重大な問題となります。別居を予定している場合は、可能であれば実行前に相談してください。
安全な手続の進め方
- 本人同士で無理に協議しない
- 連絡窓口を弁護士にする
- 住所や連絡先の秘匿措置を確認する
- 必要に応じて保護命令や行政支援を検討する
- 親権だけでなく監護者、親子交流、緊急時の連絡を一体で決める
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この記事は2026年7月23日現在の法令・裁判所及び法務省の公表資料に基づく一般的な説明です。実際の見通しや必要な手続は、離婚時期、子どもの状況、父母間の関係、財産の内容などにより異なります。