共同親権と単独親権のどちらが適切かは、父母の希望の強さや収入だけでは決まりません。中心になるのは、子どもの利益です。
どちらか一方が原則ではありません
法律上、共同親権と単独親権のどちらか一方が原則、他方が例外という関係ではありません。父母が合意できるかだけでなく、現実に子どものための意思決定を行える関係にあるかを検討します。
裁判所が考慮する事情
- 父母それぞれと子の関係
- これまで誰がどのように子を監護してきたか
- 現在の生活、学校、健康状態
- 子の年齢、発達、意向
- 父母間の関係と連絡・協議の可能性
- DV、モラハラ、虐待、威圧、支配の有無
- 一方が他方の意思を不当に抑圧していないか
- 養育費、親子交流など子の養育への姿勢
- その他、共同親権または単独親権が子へ与える影響
収入が多いことや住居を所有していることだけで親権者が決まるものではありません。
必ず単独親権にしなければならない場合
裁判所は、次のいずれかが認められる場合、単独親権としなければなりません。
子の心身に害悪を及ぼすおそれがある
過去の虐待、現在の危険、子への暴力・威圧などが問題になります。
父母が共同して親権を行うことが困難である
一方が他方から身体的DVだけでなく、精神的・経済的・性的DVを受けるおそれがある場合、父母が安全かつ対等に協議できるかを確認します。
共同親権が子の利益を害する
上記以外でも、共同親権による対立の継続や意思決定の遅れが子の生活や安全を害する場合が含まれます。
「話合いができない」理由が重要です
単に意見が違うだけなのか、一方の威圧、支配、連絡拒否、嫌がらせなどにより協議できないのかで意味が異なります。メッセージ、録音、相談記録、診断書、警察・行政への相談など、協議が困難な理由を示す資料を整理します。
合意を急がない方がよい場面
- 相手方から離婚届への署名を急かされている
- 「共同親権にしなければ養育費を払わない」と言われている
- 子どもの居所や転校が決まっていない
- DV・モラハラがあり、対等に話せない
- 共同親権にした後の連絡方法が現実的でない
親権だけを先に決めず、監護者、居所、養育費、親子交流、緊急時の判断まで一体として確認してください。
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この記事は2026年7月23日現在の法令・裁判所及び法務省の公表資料に基づく一般的な説明です。実際の見通しや必要な手続は、離婚時期、子どもの状況、父母間の関係、財産の内容などにより異なります。