最近面会交流の重要性が強調されるようになり、夫側が離婚時に面会交流の内容を交渉条件にすることも増えてきました。
場合によってはとにかく離婚して貰いたいということで、多すぎる内容の面会交流を取り決めてしまうこともあると思います。
一度調停や公正証書で決めた面会交流はずっとそのまま行わないといけないのか、法律でいうと民法766条3項に子の監護に関する事項の定めについて、裁判所は必要があると認めるときは子の監護について相当な処分を命ずることができるとされています。
この必要があると認めるときとはどのようなときのことをいうのでしょうか。
裁判所は子の利益にとって、どのような内容が望ましいかを後見的に判断すべき立場であり、父母の取り決めの拘束力にとらわれずに判断することができると解されています。
ではどのような内容が望ましいかというのはどういう基準で決めるのかというと、
面会交流の頻度や内容等は、同居期間中の相手方と未成年者との関係、これまでの相手方と未成年者との面会交流の状況、未成年者の年齢や生活状況、申立人と相手方双方の生活状況等を考慮して決定すべきである
とした審判例があります(京都家裁平成26年2月4日)
昨今の風潮からすると、ともすれば面会交流実施至上主義ということになり、一度取り決めたのだからどんなに現在の生活を犠牲にしても面会交流を優先すべきである、と言われがちです。
しかし、面会交流が子のためであるとすれば、子の現在の生活状況を考慮に入れるべきなのは当然であり、一度決めたからといって諦める必要はないと思います。
具体的な手続きをしては面会交流の調停を申し立て、折り合わなければ審判で裁判官が決めるということになります。