共同親権になっても、子どもの生活上のすべての事項について、毎回父母双方の同意が必要になるわけではありません。
単独で判断できる3つの場合
1 監護・教育に関する日常の行為
日々の生活の中で生じ、子に重大な影響を与えない行為は、一方の親が単独で決められます。
一般的な例は次のとおりです。
- 食事、服装、髪型
- 日々の身の回りの世話
- 出欠連絡、給食、学校行事への参加
- 短期間の観光旅行
- 心身に重大な影響を与えない医療
- 通常の予防接種
- 通常の習い事
具体的事情によって評価が変わるため、長期間・高額・生活を大きく変える行為は個別に確認します。
2 子の利益のため急迫の事情がある
父母の協議や家庭裁判所の手続を待つと、子の利益を害するおそれがある場合です。
- 緊急の医療行為
- DV・虐待からの避難
- その他、判断を遅らせると子の安全や健康を害する場合
「急迫」は暴力が行われている瞬間だけに限られません。危険の内容、避難の必要性、時間的余裕を具体的に判断します。
3 他方の親が親権を行使できない
行方不明、意思能力を欠く状態など、他方の親が現実に親権を行使できない場合です。
原則として共同で決める重大な事項
- 子どもの居所・転居
- 進学先の選択
- 心身に重大な影響を与える医療
- 子どもの財産管理
- 子どもを代理した重要な契約
- 氏の変更など身分行為
子どもの転居は、同一学区内でも通常は日常行為に当たらないとされています。ただし、DV・虐待からの避難など急迫の事情がある場合は別です。
意見が一致しない場合
共同で決めるべき特定事項について話合いがまとまらない場合、家庭裁判所に、その事項について単独で親権を行使する親を定める調停・審判を申し立てることができます。
「教育全般」のように広く指定するのではなく、進学先、医療行為、契約など特定の事項を示す必要があります。身上監護全般で対立している場合は、監護者指定や監護の分掌が適することもあります。
離婚時に決めておくとよいこと
- 子どもの主な生活場所
- 転居や進学の相談時期
- 緊急時の連絡方法
- 返答がない場合の取扱い
- 学校・医療情報の共有方法
- 父母間の連絡を第三者経由にするか
参考:裁判所「家事事件Q&A」「親権行使者の指定調停」
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この記事は2026年7月23日現在の法令・裁判所及び法務省の公表資料に基づく一般的な説明です。実際の見通しや必要な手続は、離婚時期、子どもの状況、父母間の関係、財産の内容などにより異なります。