報道で知るだけですが、離婚したい妻に対し、夫は離婚したくない、離婚したい理由はモラハラであるが、直ちに婚姻破綻と認定されるような事情が証明されるかは不明、という状況のようです。
この件でモラハラ問題が社会に広く認識されるようになりましたが、本当の争点は離婚したいだけで離婚できるか、というところにあるのかも知れません。
(訴訟記録を読んでいるわけでないので、推測です)
離婚請求において、離婚原因として婚姻破綻が必要であるということを以前書きました。
どういうことがあれば破綻と決まっているわけでないので、いろいろな事情で婚姻破綻を認めてもらわなければなりません。
仮にモラハラの程度がさほどではなくても、 婚姻破綻を認めてもらうために強調しなければならないという構造にあります。
日常的に暴言を吐くとか、何時間も問い詰めるとか、社会通念を超えた制限を押し付けるとかいうことがあればモラハラを理由に破綻が認められてもおかしくありません。
しかし、妻の気持ちとしては実際そういうことがなくても上から目線でずっと言われたということで気持ちが離れ離婚したいという場合もあるわけです。
そういう場合に裁判所は破綻してないから離婚は認めないという判決を出すべきなのでしょうか。
おそらく高橋ジョージさんは離婚されて路頭に迷うわけではありません。そして、婚姻というのは一方が嫌だと思えばそれ以上仕方がないものです。
離婚を認めない意味はおそらく最終的に離婚が成立するまでの別居期間を伸ばすという意味しかないでしょう。
そうであれば、裁判所はモラハラでなくても総合的に判断して破綻しているので離婚するという判決を出すのではないでしょうか。
仮にそういう判決が出た場合、その社会的影響はかなり大きいと思います。
妻側から離婚したい場合、決定的な理由がなくても離婚できるということが広く知れ渡ることになるからです。