ネットとかによく夫の同意なく別居すると悪意の遺棄になる、慰謝料を払わされる場合もある、有責だから離婚が認められない、などと書いてあります。
おそらく実務を知らない人が条文に悪意の遺棄が離婚原因となると書いてあるのを読んで書いたのではないかと思います・・・
通常離婚の前には別居していることがむしろ多いと思います。
一緒にいるのが耐え難い事情があって離婚に至るのが普通でしょうから、一般的に言って、離婚の前に別居するというのは正当な行為であるといえるでしょう。
勝手に出て行ったから悪意の遺棄だ、慰謝料だと言う相手方はいるかもしれませんが、裁判所にはまず通らないと思いますし、それで離婚の判断において不利にもならないと思います。
ではどのような場合が悪意の遺棄になるかというと、夫がいわゆる蒸発をして、夫に生活費を頼っていた妻子が路頭に迷うといったような場合を想定しているのではないかと思います。
ただ、そのような場合はそもそも婚姻の破綻が認められるのであって、悪意の遺棄かどうかを取り上げる実益に乏しいともいえるのではないかと思います。